Doll

文化人形
(1948年/昭和23年)
陶製人形と輸出用のセルロイド製人形くらいの種類しかなかった昭和6年に、オオイケは名古屋ではじめて「布」で作られた量産可能な布帛(ふはく)人形を開発、抱き人形として多くの女の子をお世話好きにした大ヒット商品となり現在のオオイケの基礎を築きますが、昭和18年頃に戦時下の平和産業縮小と物資統制の影響で生産中止となりました。
戦後、子供向けの布帛(ふはく)人形が東京で発売されたのに続き、当社も陶製人形で培ったドール作りのノウハウを生かして制作販売を開始。材料に乏しい中で作られたため、決して良い品質ではありませんでしたが、全国で2社目の発売だった事もあり、数年にわたって売れ続けました。

ミルク飲み人形
(1956年/昭和31年)
完全独自開発で企業改革
オオイケが人形の材料をそれまでの布帛から樹脂に大転換したこの年、新事業として研究開発、技術導入と設備投資に莫大な資金を投入し、2年がかりで発売にこぎつけた商品がミルク飲み人形です。
口からお尻にパイプを通し、ミルクを飲ませるとおしっこをする仕組みで、おむつを替えたりよだれかけをかけたり、ベビー服を着せたりと遊びのバリエーションを大きく拡げた画期的な商品でした。日本で2社目の商品だったことも手伝い、宣伝なしに作る端から売れて行くという状態が数年に渡って続きました。

歩行人形
(1962年/昭和37年)
全ての歩行人形のルーツ
オオイケはこの年、手を引いて歩かせる人形の開発に日本ではじめて成功します。右足が接地すると左足が上がる動作が交互にくり返され一歩ずつ前進する半自動歩行(特許取得)で大ヒット。
身長60cm、値段も3,500円という当時としては破格のサイズと値段にもかかわらず百貨店では先に包装して高く積み上げ、(当時は買う時に店員が包装するのが通常)片っ端から袋に入れてお客様にお渡ししたという程の売れ方だったそうです。この商品がきっかけでオオイケDOLLの知名度は大きくUPし、実績をさらに積み上げることとなりました。

ハットバッグ
(1967年/昭和42年)
人形がかぶった帽子がバッグになっているハットバッグ。子供用のバッグからルームアクセサリーまでひろく使われ、7年の長期に渡って売れ続けました。

パピーちゃん
(1967年/昭和42年)
パピーちゃんは身長15~26cm、首と手足が曲がり色々なポーズがつけられ、20種類もの着せ替えが楽しめたポーズドール。
女の子のおしゃれに対するあこがれと夢を育んだパピーは5年以上もの間コンスタントに売れ続け、日本中の女の子達に愛されました。

当時のセットの一例

ポーズ人形
(1967年/昭和42年)
パピーちゃん同様、手足と首が曲げられるので様々なポーズがとれる上、サイズと衣装に様々なバリエーションがありました。
日本初の少女向けファッション雑誌「ジュニアそれいゆ」で内藤ルネが描いた少女がそのまま人形になったそんな可憐な人形です。


自動歩行人形リリーちゃん
(1967年/昭和42年)
日本初の自動歩行人形としてデビュー。画期的な商品でしたが故障が多く、発売から1年で製造中止となりました。

フランス人形
(1967年/昭和42年)
小首をかしげた小さなマドモアゼル達が、当時の日本の子供達の、外国への憧れをかき立てました。
サイズは32cmから56cmまで、ドレスを含めると最終的に50を超えるバリエーションがありました。

バリエーションのほんの一部

アイドルサンちゃん
(1968年/昭和43年)
通商産業省大臣賞受賞
女の子達の身近なお友達として登場したサンちゃんは三つ編みおさげでパッチリ目(手描き)の、すましたアイドル風の人形です。手足首が回るので様々なポーズが取れ、耐水性のボディはお風呂に入れることも可能でした。
「周りを見たらみんなサンちゃんを抱えてる」という程人気を呼び、6年間のロングセラーになりました。季節や流行に応じたスタイルの数え切れないバリエーションの存在がサンちゃんの高い人気を如実に物語ります。

バリエーションのほんの一部

ミリオンベビー
(1970年/昭和45年)
中小企業庁長官賞受賞
「100万人のベビー」の誕生
「100万人に愛されますように」との願いをこめて名づけられ、生まれたての赤ちゃんと同じ身長50cmのミリオンベビーは、発売から4年で実に200万人もの人に愛される人形になりました。しかもその人気は子供でなく大人から火がついたもので、新聞各紙に取り上げられる等日本中を巻き込んだ一大ブームとなりました。
熟年層に人気がある人形は現在では珍しくありませんが、当時は20代後半から40代の年齢層で大ヒットした人形は過去に例がなく、当社を含めた業界の誰もが予想外の社会現象にまでなったミリオンベビー。「Hiミリオン」や「おねだりミリオン」など仲間を増やしながら、今なお多くの人の子供、そして孫として愛され続けています。

ビッキーちゃん
(1971年/昭和46年)
ジーパンをはいたサンちゃんのお友達
ビッキーちゃんはサンちゃんのお友達としてデビュー。人形としてはじめてジーパン(ジーンズ)を履いたのが彼女です。両ひざのハートのアップリケに手紙などを挟めるなど当時としては珍しいアメリカンテイストのファッションで、元気いっぱいの開放的なイメージで子供達に親しまれました。

プチベビー
(1986年/昭和61年)
キユーピーのルーツ
オオイケにおける現在のキューピーのルーツともいえる人形。手足が動くほか、ミルクを飲みおしっこもします。
大きさ12cm。抱えた哺乳びんが可愛さを一層引き立てます。

創作Doll

マドリード
(1974年/昭和49年)
衣装素材にサテンや別珍、レースを使った高級感あふれるファッションと、少しだけ大人びた優雅な表情がクリスマス、ブライダル、誕生日の贈り物や、インテリアとしても実に好評でした。
以降、リニューアルとリデザインを経て現在に至るまでマドリードはオオイケのエレガンスドールの代表的モデルです。


フィロス
(1975年/昭和50年)
顔や手足には、歴史ある瀬戸焼の技術を使った1300度の高温で焼成された、表面が緻密で透光性のある高品質な硬磁器を使用。
自由にポーズをとれるよう胴体に針金が入っており、ミステリアスなのにどこかユーモラスな雰囲気も併せ持つ、多くの大人達をもファンタジーの世界へ誘う創作ドールの逸品です。


フローラ
(1976年/昭和51年)
ヨーロッパの古き華やかな時代、15~16世紀の貴族的趣味を発想の原点として開発されたロマネドールにあって華やかさと気品に満ちたフローラは、手にした多くの人々の夢とロマンを大きくふくらませました。
